タイトル

二年後のあの日・・

そう、あの日・・・ 
悟と碧はもうすっかり忘れていた遠い昔の夢が・・・
突然、現実になって飛び込んできた。
だって、ぶつかったふたりはまるで鏡を見ているように同じ顔だったんだもん。
『ウッソォォォ〜〜!?』 ふたりは心の中でもう一度叫んだ。

「おまえ、どこに住んでんだ?!」悟は不思議そうに訊ねた。
「あの向こうの国道の南側・・・」碧は喉がカラカラになりそうな声でやっと言った。
「それでかぁ、今まで全く知らなかったし、誰も教えてくんなかったもんな。」   
「なんのことよ?」いったい悟は何を考えている?!
「だってよぉ、あの国道から向こうは学区が違うんだぜ。
同じ学区なら、もっと小さいときから誰かがなんか言うさ、きっと。
オイラとおまえ、全く同じ顔なんだもんな。」
「あぁ、そう言うこと・・・」碧は思わず納得した。

「夢、見たよね?!」碧は悟に同意を求めた。
「あぁ・・・、同じ夢かな?!」
「絶対間違いないわよ、だって、ノラまで。」
振り返った後ろには猫の【ノラ】と犬の【ノラ】が仲良く座っていた。
「猫と犬のくせに変に仲良さそうに並んでやんの。」思わず悟はつぶやいた。
「だって・・・2匹は・・・」   
「月の妖精ルナの化身?!」ふたり同時に言った。
もう間違いないよな、同じ夢を見たんだ・・・
悟も碧もとんでもない出来事に眼をぱちくりさせた。

「こんな事・・・現実に起こるわけないよね?!」碧はアスファルトをけりながらひと言。
「う〜〜ん、オイラもどう返事をしたらいいのかわかんないや。」
意外と明るい悟の声だった。
「それにさ、だからってこれから何か・・・」そう言いかけて悟は思わず口をつぐんだ。
「エッ?! これからって・・・エッ・エッ・エッ!!」碧は言葉にならない声を上げた。
「私たち、ピーターパンになるの?!」
「アホか、おまえ!」碧の返事にいささかあきれ果てた悟だった。

それでもふたりの心には、あの銀色キャット・ジジの言葉が。
『真夜中から午前3時までのツインタイム・・・』
「どんなに言われても、オイラ夜中は起きないし、おまえと出歩くつもりはないからな。」
「アタシだって!!」碧も負けずに言い返した。
幾らふたりが似ているからって、実際に双子というわけでもないし
まして、男と女。絶対あり得ないんだもん。

「ピーターパンなんっておとぎ話だろうが、そんなこと本の世界だけだって、おまえ知ってんだろう?!」
「う・うん・・・」碧は小さな声で頷いた。そうだよね、そんなこと起こるわけがないよね・・・
あの夢のなかの奇妙な話、でも・・・
悟も碧も何か理解しがたい雲を掴むようだった。

「あのさ・・・もし、もしだよ。今度同じような夢を見たらもう一度会わないか?!」
「うん? どういう事??」悟の言う意味が良く解らない碧だった。
「単なる偶然、他人のそら似かも知れないし、もし、もし夢の共有があったら・・・」
言葉を選んで悟は話し始めた。
「それはそれで・・・面白い?!」今まで不安げだった碧の瞳がパッと輝いた。
ふたりの冒険心がちょっと頭を持ち上げ始めた。

「でも、どうやって連絡とるの?」
「う〜〜む、困ったなぁ〜〜」悟は腕組みをして考え込んだ。
「ワンワン!」「にゃ〜〜ん♪」
「ヘッ?! まさか、おまえ達が連絡取り合うの??」
『うん。』と言ったかどうかは解らないけれど、何となく悟も碧も【ノラ】達が教えてくれそうな気がした。


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