タイトル

親父の納骨

見る間に時が流れた・・・
悟は二児の父親にもなった。
普通の家庭の普通の幸せ。
職場でも一応、主任になった。
平凡だけれど、母ちゃんの言う それなりの幸せ が そこにあった。
もちろん、同居の母ちゃん達とは賑々しく・・・・ハハハッ

ある日、父ちゃんが胃がんだと病院で言われた。
もう末期だと・・・
酒も飲まない、ストレスもあまりない。   
そう思っていただけにショックだった。
ところが、当の本人は意外とカラッとしていて
母ちゃんに、自分の死後のこと色々頼んでいた。
母ちゃんも、何も言わず 「 うん・うん 」って・・・

茜が二人を見ながら

「 夫婦って良いね・・・ 」

そう、つぶやいた。

やがて、父ちゃんは旅立ちいつの間にか納骨の日がやってきた。   
その日、四十九日法要を済ませるとみんなでお墓山に登った。
山の中腹で、見晴らしの良いのが自慢の墓地だ。
お墓の傍らには、父ちゃんが逝く半年前 一足先に向こうに逝ったノラの墓がある。
悟が社会人になった頃から、ノラは父ちゃんの膝で一日ウツラ・ウツラすることが多くなって
最期は父ちゃんの腕の中で息を引き取った。

お墓に父ちゃんを納骨してフッと見上げると、   
お墓の少し上でサクランボが赤い実をいっぱい付けていた。

「 あれっ、兄貴 こんな所にサクランボあったっけ?! 」

オイラは不思議そうに兄ちゃんに聞いた。

「 あれは、おまえのサクランボだよ。 」

兄ちゃんはさらりと言ってのけた。

「 オイラの?! 」

兄ちゃんが言うには、オイラがまだ3つぐらいの時
ばあちゃん(父ちゃんのお母さん)と一緒に花壇に種を植えたんだそうだ。
そしたら一本だけ翌年芽が出てドンドン大きくなったって
小さな花壇じゃ可哀想だからって、父ちゃんがお墓山に持って行った・・・

どこかで聞いた話
そうだ、ツインタイムの ふあふあタンポポさんの願い事。
あれだ!
と言うことは・・・あの坊主はオイラだった?!

ん?! まだ何か引っかかる
まだ、なにかあるような・・・
あっ!あの時だ 意味不明の言葉
碧のおばあちゃんに会いに天の川の向こうに行ったとき
確かおばあちゃんは最後にこう言った

『 いつも二人を空から見つめているわ 』

あれは、碧だけじゃなくオイラも?!
碧とオイラは生まれる前からどこかで繋がっていたのだろうか?!

そして、これが残った宿題の答えのひとつ?


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