タイトル

ラスト・ツインタイム

思いの外、その日は早くやってきた。
もう少し、ゆっくり時間が進めば良いのに・・・そう思った碧と悟。
今日が終われば、私は消える。
今日が終われば、オイラの記憶は消える。
二人にとって微妙な時間。

9月9日、真夜中の12時
二匹のノラが

  
「 ドコヘ イク? スキナトコロニ イクヨ 」

そう、つぶやいた。
碧が

「 真夜中だけれど、悟と一緒に夜明けが見たい 人魚姫の心境よ。 」

ハッキリそう言った。

そこはどこか・・・二人は分からなかったけれど
真っ暗な東の空、天空は瞬く星で揺れていた。

「 ツインタイム ガ オワルコロ キレイナ アサヤケ ニ ナル 」

「 ありがと、ノラ達 楽しかったわ。 」   

碧は二匹のノラを代わる代わる抱きしめて、そっとなでた。

そして、悟に向かって

「 ねぇ、なぜ私がファイヤー・ストーンを使った分かる?! 」

おもむろにそう尋ねた。

「 エッ?! どうしてって・・・ 」

「 フフッ ダメだなぁ、悟は 純情なんだから 」

オイオイ、純情だなんって、この期に及んで何を言い出すんだ。
悟は思わず、口に出しそうな言葉を飲み込んだ。

「 そうだよね、悟は計算なんてしないもんね。 」

碧は遠くを見つめながら一息ついた。

そして、ポツリぽつり語り始めた。

「 あの日ね、選択を迫られたあの日 私考えたの。
ファイヤー・ストーンを使わずに、おじいちゃんも悔いを持ったまま暮らすこと。
それでも、良いじゃんって思ったこともある、私の問題じゃないしって。

でもね、そうするとひとつだけ絶対どうにもならないことが出来てしまう・・・
何だと思う?! 」

答えが分かるはずの無い悟に尋ねる碧は苦笑いをした。


「 それはね、悟 君のことなの。 」

「 ヘッ?! 」

悟は思わず聞き返した、何の事だぁ〜〜

「 私が何もせず、あのままツインタイムを終えていたら 私は何事も無い何時もの生活が送れる。
でも、もう絶対悟、君とは会えない・・・ジジはそう言ったの。
そして、私は死ぬんじゃ無くて消えるんだって・・・ 」

「 俺・・・なんだか、おまえの言っている意味が良くわかんない。 」

「 うん、そうだと思う。
あのね、君みたいにトンチンカンな人間ってそういるもんじゃないし、
もう二度と会えないなんってつまんないな、そう思ったの。

それにね、ノラが言ったの。
『 碧は傷つかないよ。 』って・・・ この意味がなんだかとっても大切だと思ったわ。
それでね、私はジジの心がほんの少し見えたような気がしたの。
もし、私がファイヤー・ストーンを使ったら・・・
正確ではないかもしれないけれど、もしかしたらみんな元に戻るんじゃないかしらって?!

もちろんね、これは私の憶測でしかないから 実際はどうなるのかそれこそ夢をつかむようなものよ。
時間はかかるかもしれないけれど、君とまた会いたいなって思ったの。
絶対、巡り会わないよりは希望があるでしょ。

それにね、君に言っておきたいことがある。
12回のツインタイムで、きっと君が解決すべき問題がふたつ残っていたと思う。
何かわかんないんでしょう?!
私は、いつかその結果も聞きたいのよ 」

あれまぁ・・・碧は意味不明の言葉ばかり発してオイラの心を混乱させてばかりだ。
あっ! 東の空が少しずつ明るくなってきた。 

「 碧、夜明けだ! 」

振り向いたオイラは自分の布団の中にいた。
ツインタイムが終わった・・・

 

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