タイトル

始まりは・・・

真夏のうだるような暑さからやっと解放され、賑わしい蝉の声も消えた。
いつの間にか、コスモスが風にゆられて心地よさそうに囁きを交わしている。
ある小さな街の一角
ノラはブロック塀の上で気持ちよさそうに毛繕いに余念がない。
だって、今さっきサンマの開きを一匹丸まる召し上がったんだもの。
「ウフッ♪ キャット・フードよりずっと美味しいんだから。」
満足げに大きなあくびをひとつ、さぁ、お昼寝の時間。

その時、家の中から爆弾が炸裂!!
「ノラッ!! また、オイラのおかず喰ったな!!」
引き戸がガラッと開くと少年がバットを握りしめて猛然とダッシュしてきた。   
奥で母ちゃんがひと言 「もう、おかずないからね!」

シュワッチ、ノラは敢然とブロック塀から飛び降りて急いで角を曲がって逃げていった。
長いシッポをピンと立てて 捕まるもんですか♪ 
その後を、少年、【悟(さとる)】が追いかける・・・と、その時

ガッチャーン!

角を曲がったところで出会い頭に犬を散歩中の少女と正面衝突

「ちょっと、あんたぁ、気をつけなさいよ!」と、黄色い声が飛んだ
「クソ生意気な女だな、ごめんなさいぐらい言えないのかよぉ!」負けずに悟も言った。
転がった自分の身体を起こしながら、膝の汚れをパンパン叩いて、相手の顔を見た。
思わず
「おまえ、みどりぃ〜?!」
「えっ?!」犬のリードをたぐり寄せていた少女は振り返ると   
「さとるぅ〜?!」
そしてふたりはそこら中に聞こえんばかりの大声で
「ウッソォォォ〜〜!!」と、ほぼ同時に発した。

その少し向こうで一匹の犬と一匹の猫が仲良く寄り添いながらスリスリ・・・
「ひょっとして・・・ノラァ〜〜!?」
ふたりは同時に相手の飼い猫(犬)を指さした。
二匹も殆ど同時に「ニャ〜〜ン」「ワォン」
嬉しそうに、初対面の相手にすり寄ってきた。
「あっ! でも家のは野良のノラじゃないからね。
イプセンの人形の家のノラのように自立性のある犬にってママがつけたんだから・・・」
今更そんなことどうでも良いような気がするけれど、とりあえず碧は付け加えた。

実はね・・・
悟と碧 誰が見ても同じ顔なんです♪
エッ・エ・エッ?!
そう、
まるで一卵性双生児みたいに同じなんです。
これから始まるお話は、
神様の
ちょっとしたミスが生んだ奇妙な物語。
さぁ、始まりますよ〜〜



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