タイトル

みちこ先生

碧は、“みちこ先生”がどこに住んでいるのか知らなかった。
でも、夢の中の【ノラ】達は迷うことなく先生の夢の中へ滑り込んだ。
「せんせ、先生・・・」碧は寝ている先生の耳元で小さな声で呼んだ。
「う・う〜〜ん・・・」みちこ先生は両手を上に上げて思わず寝返りをしてそのまま・・
「せんせ、せんせい!」もう一度、碧は小さな声をかけた。

一瞬、みちこ先生が『ん?』という風に大きな眼を開けた。
その目の前に碧と悟。
「えっ!?」みちこ先生は悲鳴に似た声を上げて飛び起きた。   
「碧さん?・・・えっ? でも・・・」
みちこ先生は碧と悟を互い違いに見つめながら、何度も自分の頬をぶった。
「夢?! そう、夢よね? そうでしょ、碧さん?」みちこ先生は不安げにいった。
「先生、夢だけれど・・・大切なお願いがあってきたの。」碧は真剣なまなざしで訴えた。
「大切なお願い?!」そう言いながらみちこ先生は悟の顔に釘付けになった。

「あ・あの・・・ あなたは、だぁれ?!」
碧と同じ顔をした少年にみちこ先生は尋ねた。
「オイラは悟。姉ちゃんと双子の弟!」
「エッ?! 双子・・ 弟・・」もう、みちこ先生はパニック
「先生、これは夢の中なんです。だから・・・そう驚かないで
悟は、一緒に生まれるはずだった弟なんです。(キッパリ)   
でも、何かの手違いでバラバラになったの、ネッ、ノラ♪」
2匹の【ノラ】は、ばつが悪そうにコックン。
みちこ先生は何が何だか良く解らないけれど・・・
とにかく、お部屋を温かくして碧達の話を聞き始めた。

「つまり・・・その親子の犬を何とか助けたいのね。
でも、それは大変な事よ。ちゃんと最後までがんばれるかしら?」
みちこ先生は、案外冷静にそう言った。
「パパにも相談したの。そうしたら碧達に何が出来るか、何をしなければいけないか
自分たちで考えてごらんって・・・」
「解ったわ、明日まず、その親子に会って校長先生にご相談しましょ。」
みちこ先生はふたりにホットチョコを勧めると、そう笑顔で答えた。
2匹の【ノラ】がほぉ〜〜らねと言う顔をして碧と悟を見つめた。

「碧〜、朝よ!」
ママの声で眼が醒めた。
昨夜の「ツインタイム」本当に成功だったのだろうか?!
碧は不安な朝を迎えた。

学校に出かけようとしたら、ママが大きな袋を差し出した。
「なに?!」怪訝そうに訊ねた碧にママは笑って言った。
「パパから、話は聞いたわ。自分たちで出来ること、頑張ってね。
これは【ノラ】のドッグフードだけれどその親子にあげて頂戴。きっと、お腹すかせていると思うの。」
「ママ・・・」碧はうちのパパとママは最高だと思った♪
笑顔で受け取ると、風のように走っていった。
『もうすぐ、ご飯が食べられるよ!』


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