タイトル

問題!

碧の心・・・実はどんより曇っている。
今日学校であったこと。
それは、「ツインタイム」ではきっとどうしようもない現実。
自分の部屋で、机に向かって何も出来ず考え込んでいた。
「おねぇちゃん!」・・・茜が呼んでも返事もしなかった。
茜は半べそをかきながら部屋を飛び出していった。

「どうした? 碧。」
振り返るとパパの優しいまなざしがあった。
『アッ・・・今日、パパお家にいるんだ・・』   
なぜか、安心した碧の頬に一筋の涙が流れた。
「パパァ〜〜、どうしたらよいか解らない。」
そう言って、碧は泣きじゃくり始めた。
「いったい・・・どうした? 話してごらん。」
パパの優しい言葉に碧は今日学校であったことを話し始めた。

校庭の北端に体育館が建っている。
その奥の隅っこに・・・一匹の母犬と三匹の子犬が。
昨日碧達が掃除をしたときはいなかった。
つまり、昨夜のうちに誰かがこの親子を捨てた。
今は、まだ碧たち掃除当番だけしか知らないけれど
先生達に知れるのは時間の問題。   
以前にも同じようなことがあったけれど、保健所の車が迎えにきた・・・
助けてやりたい! そう碧達は思うけれど
どうやったらよいのか、方法が解らない碧達だった。

「う〜ん・・・」碧の話を聞いたパパは腕組みをして考え込んだ。
「あのね、パパ。私は、最近夢の中で色んな仲間達にあったり
命と出会ったの。命も救ったわ、でも・・でも、夢の中よね。
今現実に、体育館の裏の隅っこで震えている親子をどうやったらよいのか
どうしてやればいいのか解らないの。」
碧の言葉に真剣に耳を傾けたパパはひと言こういった。
「碧、それはきっと大切なことだよ。君がどう考えどうするか
パパも応援するから、まず何かをやってみようよ。」
そう言って、碧の頭を軽くポンポンとたたいて部屋を出て行った。

【何かをやってみようよ・・・】パパはそう言った。
何か・・・、何か・・・
外は木枯らし、雪が舞っている。
冷たいだろうな、寒いだろうな・・・犬の親子のことを考えながら眠りに落ちた。

「エッ?! 今日は二月二日だったの?!」
夢の中で碧は真夜中の体育館の横に立っていた。
おかあさん犬は大切そうに子供達を抱え込んで寝ていた。
雪がおかあさんを包んで白くなっている・・・
「アレッ?! 捨て犬かぁ?」後ろから悟の声が聞こえた。
「う・うん・・・、このままじゃ、明日にでも保健所に送られるよね。」
「そうだなぁ、だいたい先生なんって問題抱え込むのが嫌だから
すぐ処分っていうんだよな。」悟は何度か経験があるのかそう言った。
そう・・・きっと明日には校長先生にも知らされる・・・そしたら・・
「ねぇ、何とか助ける方法なぁい?!」

「おまえの担任はどうなんだ?! 話し聞いてくれるタイプ?」
「みちこ先生?! どうだろう? 私たちの話は良く聞いてくれるけれど・・・」
「じゃぁ、“みちこ先生”に頼もうぜ!」
悟は迷うことなく立ち上がった。
頼むって・・・碧は不安になった。

「ノラ、“みちこ先生”の夢の中へGO!」
悟はそう言うと「ノラ」に飛び乗った。
碧も急いでもうひとりのノラに・・・
粉雪が天空から切れ目無く舞い降りる。
でも、今回は本当に大切な使命を背負ったような碧と悟だった。


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