タイトル

同じ想い出

「同じ想い出・・・」
解るような気がするけれど・・・
でも、チビは不思議に思いました。
ほら、ムーンロードから降りてきたときのクロの言葉
「オイラはおまえさんのこと知らないから・・・」

ルナはチビの心を読んだかのように
ゴンの耳元でなにやら囁きました。
「あっ!そうだ。 チビちゃんクロ兄ちゃんのこと知らないんだ!」   
初めて気付いたような素っ頓狂な声を上げました。
すると今まで座っていたクロが
ゆっくり立ち上がってチビの元にきました。
「あいつに話さすととんでもない方向まで行っちゃうから
オイラが自分で話すよ・・・」と。

「オイラが初めてここに来たとき
っていうか、ムーンロードを歩いていたときかも知れない。
神様は言うんだ『天上ではおまえの好きな時のままでよい・・・』
よく意味がわかんなくてよ、オイラ神様に『なんだ?!』って。
つまり、赤ん坊の時でも良いし、
こどものときでも良いってことらしい。   
生きていたとき、一番輝いてたとき・・・
そのとき、オイラはめんどくさくってよ。
『今のままで良いよ。』って答えたんだ。

それにさ、お袋の記憶もさっぱりないし
オイラの記憶に残っている一番穏やかなとき
それはおまえさんと一緒でマム達といたときさ。
オイラはマムの家の近くの側溝に捨てられていた。
マムとマムの息子が(まだちぃっちゃかった・・・三つぐらいかな)
見つけて抱き上げてくれたんだ。
まぁっくろで見かけの悪いオイラだけれど
【クロ】って名前を貰った。

それから数年経ったある日、あいつが来たのさ。」
そう言ってゴンを見つめたクロの瞳は思いの外やさしいのです。
ゴンはそんなクロの視線も
全く気がつかない様子で花遊びに夢中です。

「あいつは血統書なんって
ご大層なもん持っている割には捨てられたんだよ。
ある日、誰かが来て『お願い飼ってやって。』
そうひとこと言って、仔犬のあいつをマムの手に残した。
その日からオイラと同じ車庫住まい。
あいつ『クロ兄ちゃん、クロ兄ちゃん。』ってうるさいんだ。
マムは血統書が付いていようといまいと
同じだって、いつも言ってた。
それから、オイラもこの弟分を仕方なく認めたのさ。

それでも、あいつとおれじゃ時間が違う・・・
オイラもおまえさんと同じでそれから数年後
神様が迎えにやってきた。
オイラの心のどっかに
いつかあいつを待ってやろうって気がしたのさ。

そして、オイラがここで見た花畑は
おまえさんが見ているのと同じだよ。
やがて・・・あいつもやってきた。
もちろんオイラも神様と一緒に迎えに行ったよ。
そうだな、おまえさんのことは・・・
【記憶の連鎖】って事かな?!
オイラからゴンへ ゴンからオイラへ
ゴンはおまえさんを知っているという連鎖
共通点は【ダッド&マム】だよな。」


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