タイトル

ムーンロードの先

ムーンロードを上り詰めたその先・・・
夜のとばりから、突然解放されたような
柔らかな陽射しが待っていました。
チビは思わず「あぁぁぁ〜〜」と
小さなため息をしてしまいました。

「どうじゃな? 気に入ったかの?!」
神様は自慢の長いあごひげに手をやりながら   
チビに優しく訊ねました。
「気に入ったかなんって・・・」
チビはもう後は言葉にはなりません。
「さて、おまえの目線の先は何が見えるかの?!」
チビはそぉ〜っと、向こうの先を見ました。
そこに広がっていたのは・・・
永遠に続くかと思われるほどの
小さな淡いブルーの花が一杯咲いていました。
「青い小さなお花畑・・・」
やっとそれだけ言いました。

「ほらネッ! きっとチビちゃんも同じものが見えるよって
クロ兄ちゃんと言ってたんだ♪ ネッ!!クロ兄ちゃん」
ゴンが嬉しそうにチビの周りをはねています。
クロは・・・ヘッ!というような顔をしましたが
瞳の奥は笑っていました。

「ふむ、ゴンが言ったとおりだったようじゃな」
神様もなんだか嬉しそうに微笑みました。
「チビや、わしは忙しいでな。ずっとここにいるわけにはいかん。
時折、様子を見に来ることぐらいが出来るがの。
ゆっくりすると良い・・・ゆっくりとな
ゴン、あまりチビを驚かすでないぞ。
クロ、ゴンのことしっかり見ておれ
嬉しくてどこまで走って行ってしまうやら ハッハッハ・・・
ルナ、チビにすこぉ〜し教えてやっておくれ。」

ルナが「はい、神様!」そう返事をしたとき
神様はもうチビの視界から消えていました・・・
そして、月の妖精ルナは・・・
青い小さな蝶になっていました。

チビはマムと今さっき別れてきたことが嘘のような気がしました。
だって・・・ここはこんなに素敵なところ
ルナがチビの耳元で小さく囁きました。
「みんなが同じお花畑じゃないのよ・・・」
「エッ?!」
チビは思わず驚いて大きな声を上げてしまいました・・・
「同じ想い出・同じキーワードを持っているからなの」
そう言ってルナはにっこり笑いました。


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