タイトル

神様の作業所

虹の架け橋の向こう・・・
そこには神様の作業所があります。
神様の仕事は・・・そう【命の再生】
あの野ねずみの夫婦の“いのち玉”もきっと
ここでその時を待っているはずです。

満月の夜、天の川
その星くずの源は紺碧の【命の泉】
地上での想い出を慈しんだ
“いのち玉”が新しく生まれ変わるところ。
泉は静かで、息をのむような清らかな瞬間
水面からたくさんのあぶくが天上に昇ります・・・   
月の妖精ルナがそれを大事そうにすくって
神様の部屋の銀色の棚に並べます。
真新しい命の誕生です。

この“いのち玉”ひとつひとつを
神様は愛おしそうに手にとってフッと息を吹きかけます。
そして棚に戻すと『トクン』とかすかな音がして
命が輝き始めます・・・

やがて・・・月の妖精ルナに守られた“いのち玉”は
お月様が月の雫として地上に流れ星と共にちりばめます。
それぞれ新しい命として・・・

今夜もやっとその作業を終えました。
そして・・・神様が疲れて揺り椅子で眠られた頃
その足下で一匹の犬がまぁるくなって眠っています。
神様の部屋(作業所)に犬?!
フフッ・・・これは神様とルナだけの秘密、ひ・み・つ♪

犬の名前は《ゆき》
《ゆき》が天上に還ったとき
それは切なく、哀れでした・・・
信じていたものに裏切られて・・・
心はズタズタに切り裂かれとてもお花畑になど。
それでも何とか説き伏せて『コスモスのお花畑』に
しばらく、ひとりぼっちでいました。
それでも、決して彼女の心は癒えませんでした。

初めての満月の夜
「もう少し、ここにいたら?!」と留めるルナの声を
遮って、《ゆき》は【命の泉】に向かいました。
その後ろ姿は絶望的でした。
ただ、ゆき自身は慈しむ想い出がなかったのです。
いえ、最初からそうじゃなくて・・・最後が

【命の泉】に入ろうとしたその時
ルナが一通の[星くずのメール]をもって飛んできたのです。
「ゆき、メールが今届いたわ!」
振り返ったゆきの目にかすかに灯火が灯りました。

手紙の主は・・・マム。
そう、あの三匹の犬、クロ・ゴン・チビのマムなのです。
「ゆき・・・どうしていますか?!
もうきっと、天上に戻ってしまったよね・・・
マムはずっと後悔しています。
おまえにしたことは許されることではないと思います。
いつかマムも天上に還ったとき、
どんなに沢山他の命があっても
ゆきを必ず見つけて、探し出して、ひとこと謝りたい。
『ごめんね、ゆき』と・・・
だから、きっと待っててね・・・」

《ゆき》の眼から大粒の涙がこぼれました。
次から次へと・・・
今までの苦しみや悲しみがどっと流れていきます。
「マム・・・・」やっとそれだけ言葉になりました。
ところが・・・困ったことに
いったんお花畑から出ると二度と戻れません。
でも、「ゆき」はマムのメールで待っていたいようです。
そこで、ルナは神様に・・・ヒソヒソ

「フム・・・皆には内緒だぞ。わしの机の下にでも隠れるかの?!」
《ゆき》は神様の部屋(作業所)の隠れ犬になりました(^^;)


HOME NEXT BACK TOP

このコーナーの壁紙用photoは篝 火 幻 燈からお借りしました。