タイトル

一等大切なことA

「さて、二時限目じゃ、ホッ・ホッ・ホ♪」
神様は愉快そうに笑いました。
「みんなが同じお花畑じゃない・・・ということ
フム、それはそれなりの理由がある。
たとえば、この野ネズミの夫婦・・・」

神様がひろげた手のひらに二匹の野ネズミが乗っていました。
「実は昨夜天上に還ってきた。
しかも、チビと同じ場所からじゃ、ハッハッハ」

三匹の犬は「エエッ?!」という顔をしました。
「つまり、マムの撒いた毒餌を食べたらしい。」と神様が。
「マムが殺したの?!・・・・」
三匹の犬たちは信じられないという表情です。
自分たちをあんなに愛してくれたマムが・・・

「還ってきたこの夫婦にわしは聞いてみたんじゃ
いったい何をした?と・・・
彼らが言うには『バナナ3本とジャガイモ3個食べちゃった♪』
それでか・・・と妙な納得をしたんじゃよ。
まぁ、彼らとて生きて行くには食べねばならぬからの。
しかし、ちょっと目立った食べ方じゃわい。

ダッドやマムにしても
生き物すべてを受け入れているわけではない。   
俗に言う害虫には容赦はない・・・
蠅なんぞ、幾ら蠅叩きでたたかれていることか。
彼らも逞しいがな。
野ネズミも人間にとっては病気を蔓延さす原因ではある。   
目立つほど出なければマムとて殺しはすまい。

それにな、誤って命を奪ってしまうということもある・・・
たとえば、道を歩いていて【カタツムリ】を踏んづけてしまうとか
葉っぱの中にいた青虫をつぶしてしまったとか・・・
もっと大きな意味で言えば生き物は
他の生き物の命を奪いながら生きておる。
空気だけでは生きていけぬからの。」

そこまで言うと神様は野ネズミを放してやりました。
野ネズミは一目散に消えていきます。
今日は満月・・・命の泉が湧き上がる日・・・
「間に合ったかしら?!」ルナがつぶやきました。
「ホッ・ホッ・ホ♪ 大丈夫じゃよ、彼らは道に迷うこともない。
還った翌日が再生の日とは運の良いやつじゃ。」
そう言いながら神様は目を細めました。

「さて、彼らはお花畑とは何の関係もなく行ってしまった。
だが、なぜおまえ達はここにいる?!
それは【想い出の共有】があるからじゃよ。
ダッドとマムを通して懐かしい想い出が・・・

地上での生活、
その想い出が深ければ深いほどそれを慈しむ優しさがいる。
青い小さな花・・・それは勿忘草(わすれなぐさ)
それぞれの心が『私を忘れないで』と小さく叫んでおる。
それは・・・家族の絆。

家族のない命・・・それだって、地上にはいっぱいある。
想い出の共有さえない命も。
そんな命は天上に還っても慈しむものがない・・・
哀れと言えば哀れかも知れぬ。
それでも、それに合った花畑
希望に満ちたヒマワリ
優しさのコスモス
それぞれの花たちは精一杯咲いておる・・・」


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このコーナーの壁紙用photoは発進!かこしらべ通信からお借りしました。