タイトル

新しい家族

母との同居は決して楽ではない。
弓彦もかなりのストレスを抱えて
薫子にあたっても仕方ないと思いながら
時には大声で怒鳴ることもある。
当の本人は全く知らぬ事だが・・・
弓彦だっていつまでも「白馬の王子様」ではない。

ライン

そんなさなかに降ってわいた「ぼんくら」の事件。
いったい、この息子はいつになったら大人になるのだろう。
同じ年代の過去の自分たちの方が
ずっと大人だったと思うのは負け惜しみだけからではない。
とにかく時間は後には戻らない。
前に進むしかない。

しかしなんと苦しい時間と果てしない道だろう。
息子でなかったら、とっくに縁が切れている。
我が子ながら呆れてものが言えない・・・
ただ、救われることがあるとすれば、
13歳年上のこの女性とこども達が
素直で明るいことか。

女性が素直というのは語弊があるかもしれないけれど
20年連れ添った夫と別れるという決断をするのだから
薫子にとっては信じがたい行動。
そして、13歳年下のこの頼りない「ぼんくら」と生きるという
あぁ〜、神様は何を見ているんだろう。
薫子は確かにそう思った・・・
よりによって、お互いが一番屑をつかんだのではないだろうか?
何度考えてもそう思う。

調停というのは、結局時間の無駄に終わった。
別れたいという彼女に、主人はがんとして拒否した。
愛情があるからと言うのではなく   
別れて相手が幸せになると言うのが我慢できないらしい。
まぁ、解らなくもないけれど
いつまでもそんなことを引きずっていても仕方ないだろうに。
こども達まで母親の方に付くと言うことは
聞きはしなかったけれど、
家庭的には早くから壊れていたのかも。
そして・・・裁判所裁定。

すぐにでも結審が出るのかと思いきや
これがまたかなり時間を労する。
確かに結婚するときのエネルギーより
離婚の方がはるかに大きなエネルギーを要する。
しかし、最近の若い人たちは簡単に別れる。

出会ったとき小学5年と中学3年のこども達は
中学1年と高校2年になった。
本当の父が、母を苦しめる人となった、
そんな彼らの心境を思うとき
薫子の心は掻きむしられたように苦しい。
家族とはできる限り真実の家族であって欲しい。
どんなに嫌っても「父」であることには変わりはないから。
父親にとっても忘れることがないわが子達。
どこかで歯車が違ったこの家族を
薫子は受け入れようと思う・・・
こども達のために。


HOME NEXT BACK TOP