タイトル

二代目ゴン

「ゆき」とともに小舟から滑り落ちた老犬
彼の名は「ゴン」だった。
おとなしくて利口な犬。
あの頃の犬は繋いだり、繋がなかったり
きっと彼らにとっては天国だったかも
適当にあそんで、ねぐらに帰る
そんなことが許される時代だった。
それに・・・
犬を飼うことは贅沢だったのかも知れない。
「ゴン」は薫子と出会うずっと以前からすでにここの住犬だった。

ライン

「ゆき」も「ゴン」も無理矢理記憶から消そうとしていた。
消えるはずのない、苦い思い出・・・
そんなとき「クロ」と出会った。
そして家族として<登録>もした。
もう二度と「ゆき」は作らない、そう心に誓った。

それから何年かすると巷はペットブームが起こった。
洋犬と言われる見るからに可愛い犬がもてはやされる。
時にはそれがステータスのような雰囲気さえ醸し出している。
そんなとき「二代目ゴン」はやってきた。
<シェトランド・シープドッグ>ミニコリーのこと。

高いお金を出して買ったのではない。
押しかけ犬・・・
血統書付きでブリーダーから、飼って欲しいと頼まれた。
とてもそんな高級な犬は・・・   
尻込みする薫子に子犬は必死で尾を振る。
恐らくこれからも「血統書付き」は絶対ないだろう。
必要以上に優遇はしないと言う条件でこの子犬は居住権を得た。
「血統書付き」この重苦しい張り紙
犬は犬。そう、だから
「二代目ゴン」は車庫で
「クロ」と暮らすこととなった。

ところが来て1週間もたたないうちに彼は(男の子でした)
ちょっとした事故に遭ってしまった。
子犬でまだ繋がれるのをいやがっていたとき
夜、ほんの不注意で外に飛び出したのに気がつかなかった。
恐らく、誰かを追いかけて行ったのだと思う。
長男(後のぼんくら)がいないことに気付いて
顔色を変えて暗闇の中を探しに走った。
しばらくして・・
彼に抱かれて子犬は戻った。
ぐったりとして顔には血が・・・

恐らく車ではない。
バイクにはねられたのだと思う。
このときばかりは獣医に駆け込んだ。
お金が幾らかかるか不安もあった。
それでも、救ってやりたいと思った。
レントゲンの結果
骨盤骨折をしているらしいことが解った。
手術をしても、しなくても結果は同じかも知れない
○ンチが自分で出来れば大丈夫と言われた。
ぐったり寝てはいるけれど、そう苦しそうでもない。

彼が子犬だったことが幸いしたのか
自力回復した。
○ンチも出た!
そして何より、このことが獣医の門をくぐるきっかけとなった。

「血統書付き」という彼の名刺はどこかに吹き飛んでしまった。
「クロ」を兄貴分としてこよなく愛し慕い
彼は普通の犬として一生を終えた。
そして今、彼はお墓山の舅・姑の隣で眠っている。

それ以後・・・
急速に動物たちが増えていくのだった(^^;)   
ある時はセキセイインコが100羽以上に増えたり
野良犬・猫がいつの間にか一匹・二匹。


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