タイトル

Nora(T)

Nora・・アタイは物心付いたときはたった一人。
でも、なぜかちっとも寂しくなかった・・・
なぜだろう?!
今頃あの時を思い出してふと考えてしまう。
そうか! あの時フワフワの緑が一杯で
お花やチョウチョ・小さな虫たち
アタイは遊ぶことに忙しかったんだ♪・・・
Noraは懐かしそうに目を細めました。

ライン

夏が過ぎて秋風が吹き始めた頃
アタイは初めて自分がひとりぼっちだって事に気付いたの。
多分、お母さんも兄弟達もいたと思うけれど・・・
いつもお腹すかしてた。
時折覗くお家の中の飼い猫たちが
のんびり毛繕いしているのがとっても羨ましかった。
だって・・・
アタイは“食べ物”を捜さなくっちゃ!
朝、目が覚めると、今日一日の食べ物のことばかり
頭に浮かんでた・・・

ある日・・・
思い切って、人間に「ニャ〜〜ン」って鳴いてみたら
食べ物をくれた人がいたの。
そうか、甘えればくれる人がいる!!
これはもう完璧♪
いつの間にかアタイは【くれそうな人】を
見つけるのが上手くなった。
全く相手にしないで追っ払う人もいるけれど
何とか生き延びていく知恵(?)も出来たし
自然と遊びながら、それなりに楽しかったわ。

寒い冬にはお家の縁の下に潜り込んだり
納屋の奥にこっそり・・・
人間はアタイ達のことを【野良猫】って呼ぶけれど
アタイは【自由猫】って呼んで欲しいと思ったよ。
そりゃね、飼い猫でも
ほとんどアタイ達とかわんないのもいたし。
アタイ達には《縄張り》って言うのがあってね
見たこともないような猫が入ってくると
シャーッって、喧嘩もするけれど
普段はみんな仲が良かったの。

  ライン

春になってね、アタイのまわりに何匹かの雄猫が・・・
そう、夜になると寄ってきては色目を使って(笑)
その上、アタイのために喧嘩までするんだよ。
もう、ビックリ!!
今まで、ひとりぼっちだったアタイは
何となく嬉しくて、その中の1匹とお友達になった。
でも、これが大変なことだって
後になって気付いたの。   
しばらくして、アタイのお腹の中で何かが動き出して・・・
アタイは何が起こったのか全然解らなかった。

それからしばらくしてアタイは《トーチとカーチ》に出会った。
今まで、ここのお家には近寄らなかったの。
だって・・・
今にも壊れそうなお家なのに
家の前に2匹、裏庭に2匹、犬がいるんだもん。
今はやりの綺麗な犬じゃないよ。
ホラ、昔いたじゃない。
アタイ達と同じ野良犬が・・・
どうやら、元はそんな感じ。
だから、怖くて近寄れなかったの。

ある日、家の前で花に水をやっているトーチに初めて出会った。
「あれ?! おまえ、お腹がおっきいんだ!」
そう言って、アタイを呼んでくれた。
カーチに「煮干しでもやれよ!」って・・・

本当はね、トーチもカーチも
野良猫に餌をやるのは良しとしないんだって。
餌をやるって事=責任を持つ
ふたりはそう思っているらしい。
後になって知ったんだけれど
その時、トーチとカーチのお家の中には
元々の飼い猫+元野良猫が10匹以上いたんだって(^^;)
驚きでしょう?!
これって、アタイがお外で見た猫たちより多いかも。

この時初めて、アタイはお腹の中に
ちっちゃな生命がいることを知った。   
アタイが、お母さん?
とっても不思議だった・・・
それに、トーチもカーチも
「お腹がおっきいうちだけね・・・」って
食べ物をくれるようになった。
他のお家でも貰えたし
お腹の赤ちゃんとアタイのお腹は満ち足りていた。


HOME NEXT BACK TOP