タイトル

なくした物。。

銀色Cat【ジジ】に会ってからずいぶん日が過ぎました。
毎日、Noraはちょっとドキドキしながら
真夜中のお月様を見上げるのですが・・・
なぁ〜〜んにも起こりません。
『本当に夢だったのかしら?!』
自信がなくなってきました・・・

お月様が、クスクス笑ったのを
Noraは知りません・・・

ライン

桜の花が散って、新しい木の芽が繁ってきました。
あの凍えるような寒さが嘘のような
穏やかな毎日です。
今夜もあきらめてカーチのお布団に潜り込もうかな・・・
そう思ったとき、急にまわりが明るくなりました。
振り返ったNoraの目にムーン・ロードが見えます。
あらら・・   
銀色Cat【ジジ】は今日はずいぶん慌てて降りてきました。

「いやいや、春は忙しくてのぉ〜
やっと抜け出してきたわい!
今頃は・・・わしを捜して、ワッハハ♪
おぅ、おまえさん、元気じゃったか?!」
「あのねぇ・・・ジジ
アタイはカーチがNoraって名付けてくれた名前があるの。
おまえさんじゃなく、Noraって呼んでくれる?!」
ブスッとした顔でNoraは言いました。

「オイ、解った♪ Noraじゃな。」   
「うん! で、ジジは【ジジ】で良いの?」
そう訊ねると
「おぅ、それで上等。(名前は記号みたいなもんだでな)
ところでの、今日はおまえさんに
いや、もとい。Noraに聞きたいことがあって
やってきたんじゃ。
この間から何か喉に詰まったような感じで
どうもいかん。
早めに聞いてみたくて矢も立てもたまらなくなったわい♪」

「いったいなんのこと?」
Noraはとてもおかしくなりました。

ライン

「【パール・ストーン】の力を発揮できるようになるには
何かを失わなければならぬ。
なくす物がなければ、【パールストーン】とてただの《いのち玉》
Nora、おまえは生まれ落ちてから何か失った物はあるかの?!」
そう、ジジは優しく訊ねました。
「ん? 失った物?! そういえば・・・
アタイのシッポは、以前はそれはそれは長くて
まっすぐピンとした素敵なシッポだったのよ。
でも・・・今はホラッ、
おしりも丸見えの短いシッポになっちゃって・・・」

「ホッ・ホッ・ホッ!
道理で・・・納得したぞ、うん!
【パール・ストーン】のことは、追々解るじゃろうて
わしの手のひらからこぼれ落ちた【パール・ストーン】に
そうそう出会える物ではない。
どうやら、偶然が偶然を呼んだようじゃな。
ところでおまえの名前の由来は何じゃろうのう?!」   
「カーチがね、元野良猫だからNoraだって。」   
「なるほど、なるほど・・・(かなり安易か)
まぁ、それなりによい名前ではないか。
どうじゃな、この老いぼれにNoraの
今までの話をしてくれんかの?!」
「アタイの??    
そんなに面白い話じゃないと思うけれど?!」
「わしの手のひらからこぼれた【パール・ストーン】が
どうやって輝き始めたのか、ちょっと気になるんじゃよ。」
「また【パール・ストーン】?
アタイはなんのことかさっぱりわかんないよ。」

銀色Cat【ジジ】は、そのなが〜〜いシッポを
クルッと体に回すとNoraの瞳をジィッと見つめました。
Noraはなんだか遠い昔に帰っていくような気になりました。


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