タイトル

カーチの涙

それから時折ルナは満月の夜、ソッと降りてきて
アタイの話し相手になってくれたの。
だからといって【パール・ストーン】が何か
やっぱり解らなかった・・・。
でも、『気にしなくて良いのよ』という。
ルナの言葉にすっかり安心していた。

いつの間にか季節が進んで
夏から秋・・・そして冬
もうすぐ新しい春が来そうだって言うとき・・・

  ライン

ある日の午後、カーチが深い溜め息をつきながら
アタイの眼をのぞき込んだ。
カーチの瞳から涙がこぼれ落ちた・・・
ひとつ・・・ふたつ・・・
それでもカーチは何にも言わず
アタイをソッと抱いて、膝の上でナデナデ。
永遠に続くと思われるほど
カーチは何時までも、何時までもナデナデしくれていたの。
でも、アタイには解ったんだよ。   
何か大切なことをカーチは考えていたんだって・・・
心がどこかに飛んでいるんだって・・・

「ツルルルゥ〜〜・ツルルルゥ〜」電話のベルが鳴った。
急いで受話器を取ったカーチ。
しばらくして「・・・そう・・・」とだけ言って
カーチは受話器を元に戻した。
とたん、カーチは今まで辛抱していた何かが   
堰を切ったように声に出して泣き出した。
「ごめんね、ごめんね。守ってやれなくて・・・」
アタイを抱きしめながらカーチは泣き続けた。

カーチはアタイを通り越して誰かを見つめている・・・
そんな気がしたの。
アタイが瞬きをした一瞬
何か淡いシャボン玉がはじけて飛んだような気がした。
《いのち玉》?!

その夜、カーチの枕元で寝ていたアタイは
いつの間にかカーチの夢の中にとけ込んだ・・・

辺り一面、わすれな草のお花畑。
そこで、カーチが小さな女の子と手を繋いでいた。
時折女の子は「キャッ・キャッ♪」と笑いながら
カーチのまわりを走っている・・・
カーチは女の子に花の冠を作って頭にかぶせたの。
女の子はとても嬉しそうに頭に手をやって
ヒラヒラ、蝶のように舞った。
カーチもとても嬉しそうだった。   
するとね、女の子が小さな声でカーチに囁いたの。
『バァバ、もう良いよ。ここからは一人で・・・
バァバはまだ、ここに長くいちゃいけないんだよ。
ありがとう、バァバ。。。』
そう言って、虹の向こう、光の彼方へかけ出した・・・
その時。。。女の子の足下に銀色Catジジが
長いシッポを優しく振りながら女の子の後からついていった。

ハッとしてアタイは目を覚ましたけれど
カーチは小さな寝息を立てていた。
カーチの頬に涙の後が・・・

ライン

銀色Catジジ・・・
あなたはいったい誰なの?!
それに・・・
カーチの心は泣き濡れているよ。
アタイは・・・
アタイは・・・
どうすればいいの?!
Noraはソッとお月様を見上げました。


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