タイトル

Nora(Z)

アタイにとっては息が詰まるような
飼い猫生活が始まった。
あんなに憧れていたのに・・・
あんなにお家の猫になりたいと思ったのに・・・
《トーチとカーチ》飼い猫は部屋飼い
一切お外には出ない・・・
自由がない・・・
アタイにとっては檻の中の生活。

ライン

小さな二間の空間でアタイを入れて9匹の猫
お外の自由を知っているアタイには
とても考えられないような・・・
それでも他の猫たちはなんの不満もないのか
結構、波風たたないようにやっている。

ハッちゃんがソッと教えてくれた。
『ボクは落ちたことないけれど
ボスとタンキチはお昼寝してて窓から落っこちたんだよ。』
そう言えば二階の窓はフルオープン
お外を知らない彼らは飛び降りることもしない。
それに・・・落っこちてもとまどうだけなんだ。

でも・・・アタイは違うよ。
お外の方が良い・・・
土の匂いが良い・・・
でも、《トーチとカーチ》も大好きになった。   
どうしよう?!

アタイはいつの間にかカーチの膝の上で寝るようになっていた。
特にカーチがお風呂から出た後のお膝は
ポカポカしていてあったかで
優しくナデナデしてくれると
アタイは、もう気持ちが良くなって
そう、お母さんと一緒にいるような気がしてきていた。
だから・・・

ライン

・・・でも、アタイはとうとう決断した!
二階の窓から飛び降りたの。
ちょっと高くて怖かったけれど
階下のひさしに何とか・・・
その時は多分カーチは知らなかったと思う。
やっと自由を満喫できた♪
アタイは飼い猫用の緑の首輪を貰っていたの。
だからそれもちょっと嬉しくって
以前の仲間に見せたくなった。

お外でチョウチョさん達と遊んでいると
二階の窓からカーチが
「Nora〜〜!」ってビックリしたような声が
ちょっと窓から首を引っ込めると・・・
「ひい・ふう・みい・よお・・・」
フフ、カーチが猫のかず数えてる。
アタイはここ♪
自由なんだよ〜〜

まだその時は野良猫仲間もいたから
「おまえ、ずいぶん久しぶりだなぁ〜」
なんって、声をかけてくるおっさん猫もいたわけ。
でも、アタイは不覚にもカーチの餌戦略にまんまと引っかかった。
夕方暗くなる前にお腹がすいてきたアタイは
つい、野良の時と同じようにねだってしまった。
「にゃ〜〜ん」って・・・
いつもの餌じゃない、美味しそうな缶詰をカーチが置いてくれた。
喜んで食べ始めたアタイをカーチは
ヒョイッと抱き上げた。

アタイの脱走は数時間でお終い・・・

それから、二度目の脱走・・・
その時だよ、胸に何かキュンと来るものができ始めたのは・・・


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