タイトル

誕生日

10月14日・・・今夜は新月
明日はミーシャの誕生日です。
ミーシャは小窓に座ってお月様に語りかけました。
「明日は僕のお誕生日・・・
神様、覚えていてくれるかなぁ・・」
ミーシャは少し不安になりました。
あれ以来 神様は現れません。
何よりも気になるのは・・・
神様がいつも言っていた言葉。
「わしは 忙しいでな・・・」

ライン

10月15日・・・今日はミーシャの誕生日
お母さんは朝からなにやらゴソゴソしています。
どこかから大きな荷物が届いたようです。
「間に合ったわ〜〜!」
お母さんは嬉しそうに言いました。

大きな包みから出てきたのは
ミーシャが爪を研いだり遊んだりする登り棒(キャットタワー)でした。
「りゅう、お誕生日おめでとう♪
お父さん、お母さんからのプレゼントよ。」
お父さんも後ろでニコニコ微笑んでいます。
ミーシャはとっても嬉しくなって
お父さん、お母さんにスリスリすると
サッと登り棒に飛び乗りました。

体の弱いミーシャはお外には出ることは出来ません。
そんなミーシャの気持ちを   
お父さん、お母さんは一番よく知っていたのです。
窓越しのお陽様がキラキラ輝いて
てっぺんに座ったミーシャを優しく照らします。

ライン

夜になりました・・・
でも、神様はいっこうに現れません・・・
ミーシャは少しがっかりしました。
『あれは夢だったのか知らん?』そう思いました。

時計の針はもう間もなく夜中の12時をさします。
待ちくたびれたミーシャは、小さなあくびをして
ウトウトし始めました。
チ・チ・チッ・・・もう後3秒で日付が変わります。

そのとき小窓のカーテンが風で揺れました。
「スマン・スマン・・・」
額に汗をびっしょりかいた神様がそこに立っていました。
「もう少しで、忘れるところじゃった。
ワ・ハッハ
わしは忙しいでな。
何とか間に合ったようじゃな、ミーシャ。

この1年おまえはよく頑張った。
わしからの褒美じゃ。
良いかな、おまえに特別の力を授けよう。
1ヶ月に一度 満月の夜に
おまえはこの小窓に座ると良い。
そうするとな、おまえの知らない世界が見えてくる。
ただし、おまえは見るだけで
話しかけることも、向こうから語りかけることも出来ん。
見るだけじゃ・・・

しかし、そこにはおまえの知らぬ様々な世界がある。
外に出られぬ、おまえにわしからのプレゼントじゃ。
ではな・・・

おぅ、そうそう
本来おまえは、早めにこちらに帰ってくるはずじゃった。
じゃがな・・・
わしは忙しいで・・・
すぐ忘れる。
ふむ、そう忘れておる。
良いな、忘れておる・・・
ず〜〜っと忘れておる・・・」

うん?急に目の前が明るくなりました。
あぁ・・・居眠り
まんまるのお月様が、雲の切れ間から大きな姿を現しました。
『今のは夢??』   
ミーシャは大きなあくびをひとつ。   
そして眠っているお母さんの温かいお布団に潜り込みました。

残ったお月様がそっと星の雫をミーシャの心に落としました。   
『おやすみ・・・ミーシャ』


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