(3)子猫ロック

時間の針が一年前にさかのぼります。

今年もクリスマスが来ました。
でも、カーチには悲しい切ないクリスマスになりました。
猫のイヌが命を終えた朝だったのです。
9kgも体重があって、獣医さんから「 こんな猫、見たことない! 」
そう言われたイヌでしたが、永遠の命なんってありませんから
いつかは天上に還らなくてはなりません。
彼が選んだのはクリスマスの朝でした・・・

きっと、その時
カーチの近くの何処かで、新しい猫の命が生まれたのです。
ネコが望んだ新しい命が・・・


ライン


四国の冬は、北国のそれと比べるととても穏やかなものです。
それでも『寒い!』と感じるのは、人も動物も変わりません。
カーチのお家では、それぞれ湯たんぽが与えられます・・・ウフッ 暖か〜〜い♪
ネコは南側の陽だまりでまぁ〜るくなって寝ています。
ミイコがピッタと引っ付いています。
ななとはちは生まれたときから兄弟ですから、他の猫たちと違って二匹は特別な関係&仲良しです。

それから少しばかりの時間が流れました。
三月・・・サクランボの花が咲き始め、芽吹きの季節が始まろうとしています。
フフッ 小さな子猫の鳴き声がどこからともなく聞こえてきますよ。
ミュー・ミュー


その年は桜の花があっけなくあっという間に咲いて散ってしまいました。
そんなある日の夕刻、倉庫ワンのワン散から帰って来たカーチの眼に・・・
お隣の奥様がなにやら小さな生き物を、胡散臭そうにつまんで何処かへ
今にも放り投げそうな気配が目に飛び込んできました。
思わずカーチは「 ロック!! 」と叫びました。

「 あれ?!おまはんく(あなたの)猫だったん(だったの)?! うちに来とったわ。」
奥様もカーチも迷うこと無く、1匹の真っ黒の子猫がカーチの手の中にスポンと納まりました。
奥様はヤレヤレと半ば安堵のような表情で帰って行きました。

実はその時カーチは思っていた以上に小さかったので一瞬ドキッ!!
そうです、今まで出会ったこともない新しい命だったのです。
実はね、ガーデンキャット・・・外野良ですが、ココ&ハナ以外にも手に入らないけれど餌だけ頂戴君が居ます。
手に入れば手術してやろうとカーチは思っていたのですが、
れっきとした野良猫カァちゃんからしっかりと教えを受けていました。
『餌は貰っても、絶対さわらせるな!』 ハハハッ・・・
その子が真っ黒君なんです
てっきり、その子だと思ったカーチ
まぁ、その子ならお隣の奥様の手に捕まらないこと、カーチはすっかり忘れておりました。

さて、そのロック・・・突然、叫んだ名前です。
一瞬のことなので、カーチも後から振り返っても良くわからないと言いますが・・・
黒猫の「クロ」を単に反対から呼んだだけらしいのです^_^;
カーチの名前の付け方は、案外トーチの感覚を引き継いでいるようです。
もう一つおまけと言えば、なな・はちの前のろくが空いているとか・・・(数字での呼び方)
どうやら、そんな単純な発想らしいです。

さて、ロックを抱えてこれからどうするか??? カーチは考えました。
実のところ、もう犬も猫も飼わないつもりでした。
カーチは63歳、命を預かるには限界に近い年齢です。
ヒョイッとロックをひっくり返し『 男の子か・・・』と危うい性別確認。
『これから20年生きるとして、ぎりぎりかな?!』
カーチは自分が80代まで生きる?と思っているようです。
確か、トーチは「10年したら迎えに来る」そう言っていたような気もするのですが・・・(笑)

どうやらカーチの覚悟は決まったようです。
『じゃぁ、誰に託する?』カーチはネコ・ミイコ・なな・はちの顔を浮かべました。
ここは最年長者のネコにゆだねるのが一番です。
ネコさえ認めればロックは仲間になれます。
カーチはまだ知らないのです・・・ ロックはネコが望んだ新しい命だということを。

当然というか、必然というか、ロックはどの猫たちに嫌がられることもなくネコの寵愛を受けることになりました。
昨日まで一緒だっただろう家族を恋しがることもなく、カーチの家族と溶け込んだのです。

それからしばらくして、ロックは洗礼を受けることになります。
カーチは、去勢手術のつもりで獣医さんに頼みに行きました。
ところが・・・手術当日の朝、カーチはロックを裏返してビックリ仰天!

そう、ロックは女の子だったのです・・・
カーチの性別判断、子猫の場合は非常に間違いやすいようで、これで二度目です。 間違ったのは アッハハ
獣医さんの受付で「かくかくしかじか・・・間違っておりましたけれど宜しく」って♪
先生いわく「そんなら名前変更するかい?!」
「まさか・・・変更しませんよ、もうそれに慣れちゃったし。」カーチは笑いながら答えました。

この日、ロックは「子宮」を失いました。
でも、彼女もパールストーンの持ち主になりました。
神様が与えた癒やし玉、体の何かを失うとその代償に神様からのプレゼントです。

あっ! スーパー・パールストーンの持ち主はノラでしたね(^_-)-☆

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