タイトル

教師の歓び

薫子の子供達の小学生時代・・・
そこで、一人の教師に出会った。
彼女は薫子よりも若い、まだ発展途上の教師だった。
けれども・・・
薫子はこの教師に<教師の原点>を見つけたような気がした。

それは薫子の双子(弟)の小学5年の時の担任だった。
学校から意気揚々として帰った少年は
「今日ね、先生が泣いたの♪」といとも楽しそうに言った。
内心、薫子はまた何をやったのだろう?という猜疑心の方が・・・
そしてお手紙なるプリントを手渡した。
そこには子供達のつたない言葉と・・・
教師の心を綴った文字が並べられていた。
中央には

先生 おたん生日 おめでとう

みんなで協力して時計を買いました。
それにみんなの家の花を集めてプレゼントしました。
みんなで100円ずつ出し合って3000円になりました。
みんなで助け合う”5の2”を使ってみます。
このこともそれに入っていると思います。

11月9日(朝)のこと
朝みんなでこのことを話し合っていたのです。
先生に聞かれたら楽しみがなくなると思って
○○さんに先生がきたら知らすように
頼んであったから急に静かになったのです。
このことを誤解しないようにしてください。

そしてその周りには小さな文字がびっしり・・・

5の2のみんなへ 本当に温かい心をありがとう
こんなに天気が良いのに、5の2の男子の姿が見えない

あの遊ぶのが一番大好きな元気なみんな。
いったいどうしたんだろう
朝、学校に来るなり心配になりました。
いつもなら集会にも遅れかけなのに・・・
一番早く体育館に行っている。
なんだか変。

教室の入り口に着いたとき
誰かの『きたぞ〜』の声。
そして拍手とお花と素敵なプレゼントの声。
そこからは先生は何がなんだかわからなくなりました。
そうか、明日は私の誕生日だった・・・
いつの間にこんな相談をしたんのだろう。
誰も何も言わなかった。
男子のおしゃべりさんも何も言わなかった・・・

<早く大人になろう><けじめをつけなさい><やかましい>
・・・と叱ってばかりいた自分が
意地悪ばあさんに見えてきました。
あなた達の方が先生よりずっと早く大人になっていて
こんなに優しい、思いやりの心を育てていたのですね。
クラスのみんなが団結して、秘密を守り
自分のやりたいことを我慢して
先生に心のプレゼントしてくれたのが、何より嬉しいのです。
30人の和、男子と女子の和が望んでいた
みんなで助け合う、思いやりの心が嬉しくて
一日中涙が止まりそうもありません。

左隅には・・・

おうちのみなさまへ
申し訳ないほど幸せに浸っております。
30人の子供達がいる。
5の2を担任させてもらっている。
自分は子供達に何もしてあげられていないのに
私はこんなに優しい心をプレゼントして貰っている。
本当に感激で、恥ずかしながら泣いてばかりで
授業になりませんでした。
これからもこの子達に支えられながら
精一杯、素敵なクラスを
心のわかる子供達と作り上げたいと思います。
ありがとうございました。」

・・・と。

先生・・・それはあなたが作り上げたクラスなのですよ。
あなたの優しさが
あなたの熱心さが
子供達をそこまで成長させたのです。
親にも内緒でしたよ、先生。


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