タイトル

エピローグ

弓彦と薫子の航海
ワンクルーズは終了です。
ふたりは夫婦と言うより、同じ船に乗った
船長と水先案内人・・・そして
人生という荒海に立ち向かう同じ闘志。
もちろん現実の弓彦も薫子も
もっと人間くさく、喧嘩もする。
世間一般の人たちと何ら変わったことはない。
書き終えて、確かにこの荒波は
すべての人が経験するというものにはほど遠く
出来るならば、遭遇したくなかった数々。

けれどもふたりは、今ある心の島に辿り着いたような気がする。
そこには大きな家も、たくさんのお金もないけれど
不思議に満たされた空間がある。
なんと表現して良いか解らないけれど
たとえば大きなシャボン玉の中に入って
フワフワ浮かんでいる・・・・
そこから虹色の空を見上げながら、ゆったりした時間が・・・

物質的・経済的にはいつも地の底を這っていたけれど
心だけはだんだん透き通るように昇華されていった。
次のクルージングには
また途方もない嵐が待っているかもしれないけれど
この旧式の小舟はきっと乗り切るだろう。

ライン

昨年、双子の兄が一冊の本を持って帰省した。
『感激した!母さんも読んでみ♪』
そう言って置いて帰った。

それを読んだ私は・・・
『息子よ、まだまだ君はなまちょろいよ 』
そう、心の中で苦笑いした。
もしかしたら、その頃の若者のベストセラーかもしれない。
読まないより、読んだ息子を褒めるべきかもしれないけれど
そこに書かれていることは上滑りなお話だよ。
現実はもっとドロドロしているし   
お仕着せの人生で初めての挫折・・・
そんなことで落ち込んでいたら、生きて行かれない。
たとえ、小説であっても
人を簡単に殺したり、死なせてはいけない。
生きることの尊厳
生きることは戦い
君はまだそれに気付いていない・・・

ライン

すべてを書き終えて・・・
しばし、心の港に寄港しようと思う。
そして誰よりも【弓彦】と【家族】に心から感謝を・・・
まだ、家族になりきれない他人がいるけれど
その航海は、一休みしてからにしよう。

稚拙な文章にもかかわらず、そっと読み続けて下さった
心優しい読者に感謝致します。
読んで頂ける・・・その歓びに
最後まで後押しされて、≪視点≫第一部終了です。
有り難うございました。


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